人工授精で子どもを授かるための手段には「精子提供(精子ドナー)」が挙げられます。
精子提供は健康な成人男性から精子を提供してもらい、女性側が妊娠可能な状況下で人工授精を施して子どもを授かる方法です。しかし、医療機関を介さずに個人間でやり取りが行われるケースも多く、訴訟問題に発展するなどトラブルの事例も少なくありません。
この記事では、精子ドナーの正しい選び方について詳しく紹介します。個人間での提供がなぜ危険なのかも説明していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
まずSNS上の個人間で精子提供(精子ドナー)を探すのは危険
精子提供は、身近な者同士だけではなく面識のない第三者間でも行われています。スムーズにメッセージが送りあえるSNSやメールなどが利用されますが、専門的な考え方では3つの大きな問題点があります。
医学的な点では「感染症」の危険が挙げられます。医療機関を介さずに精子提供を受けるときはシリンジ法と呼ばれる方式で受精を試みますが、精液を女性自身が体内に注入する際に衛生管理が整っていなければ、感染症のリスクが伴います。ドナーと性的交渉を経て受精を試みる場合も、同じく感染症の危険があります。
次に、倫理的な観点として「ドナー側の問題」が考えられます。SNS・チャット・ビデオ通話でやり取りをするだけでは、ドナー自身の人となりや詳細なプロフィールがわからず、健康状態も把握しきれません。曖昧な部分を残したまま精子提供を受けるのはリスクが大きく、たとえばドナー側に健康上のリスクや犯罪歴などがあっても、顔が見えない相手だからと伏せられてしまうおそれがあります。
法律の点でも個人間のやり取りにはリスクが伴います。一例として、日本国内では子どもが精子ドナーの子として生まれた場合に、父となったドナーが匿名を希望していれば、名前や居住先を調べることができません。
海外ではすでに子ども自身の「知る権利」が尊重されており、匿名での提供者は認められないケースが増えてきていますが、国内では依然として法的な壁が子どもの権利に立ちはだかっている状況です。
精子提供をめぐるトラブルの実情と、『こうのとりあしながプロジェクト』の安全面について
精子ドナーの選び方
個人間での取引はリスクが大きいため推奨はされていませんが、医療機関を介した精子提供にも相応のリスクは存在しています。精子ドナーを選ぶ際には、以下のポイントに注意して選ぶことが大切です。
健康状態
精子提供を受けるうえで、男性側の健康状態は最低限チェックしなければなりません。確実に妊娠に至るためには健康な精子が欠かせず、年齢でいうと満20歳〜満40歳未満の男性が理想とされています。
精子の状態
肉体・精神がどちらも健康であり、年齢にも問題のない男性であっても、精子の状態が皆同じとは限らないため状態チェックも行いましょう。
医療機関で精子所見を正しくチェックし、良好と判断されたうえに、WHOの定める基準を満たしているかどうかを確認します。万が一規定を満たしていなければ、相手を変更するなどして対応してください。
徹底した感染症検査
健康な子どもを授かるためには、感染症の対策も必須です。新型コロナウイルス感染症も含め、胎児に影響をもたらす以下の感染症にかかっていないことを確認するようにしてください。
【確認すべき感染症】
- 肝炎(B型・C型)
- エイズ(HIV1/2)
- 梅毒
- ヒトTリンパ好性ウイルス
- クラミジア
性病と呼ばれる病気のほかにも、肝炎ウイルスも含めて既往症がないことを確認しましょう。また、6ヶ月ごとに定期的に検査を受け、健康な状態が維持されている方からのみ提供を受けましょう。
血液型検査
血液型検査は、感染症検査のように精子の安全性を確認するものではありませんが、「子どもの血液型を確定させたい」といった目的がある場合には、特定の血液型をもつドナーが選択肢に入ります。
お子さんの血液型に関して考慮したい方は、血液型検査を経たドナーから提供を受けましょう。
遺伝性疾患の精密検査
遺伝性疾患に関する検査は、健康なお子さんを授かるうえで必須の要素です。遺伝的疾患について精密検査を受けたドナーほど信頼性が高くなり、健康なお子さんを授かることができます。
体格的特徴
身長や体重はあくまでもデータであり、実際の体格的特徴は人それぞれで異なります。同じ60kgの人でも、見た目が60kg程度の人と体重通りに見えない人がいるように、実際の肉体的な特徴を考慮してドナーを選ぶ方法もあります。
「筋肉がしっかりとついている」「細身ですらっとした体型」というように、体型に関してこだわりがある方は事前に確認を行いましょう。
性格特性
精子の提供を受ける際には、ドナー側の肉体だけではなく性格的な特性も考慮しましょう。
体は健康でも、メンタル面で落ち込みやすい人やうつ的な側面を持っている人、あるいは身内に精神疾患を抱えている方がいるようなケースも考えられるため、お子さんに性格的な部分が遺伝することを考えて、ドナーを比較する必要があります。
病歴
年齢や健康状態を満たしている以外には、既往症やその他の疾患がないことも必要な条件の一つです。
病歴がある場合はその内容や程度、成長や健康を妨げる要素がないか、身長や体重などもあわせて確認しましょう。
親族の病歴
ドナー自身の病歴だけではなく、ドナーの親族に関する病歴も忘れずにチェックしておきたいところです。
健康なドナーの父親が生活習慣病である、あるいは母親ががん患者であるといった具合に、親族の病歴を知ることでお子さんの将来的な疾患のリスクが考慮できます。
医療機関と連携して提供を受ける
精子ドナーは健康であれば良いというわけではなく、理想とする男性のイメージ像に合致しているかどうかが重要になります。既往症がなくメンタル面に問題がなくても、体格や性格的なものが理想に一致せず、他のドナーを検討するようなケースも多くみられます。
個人間の取引では、ドナー側の素性や個人情報がよくわからず、提供を受けて後悔するケースがみられます。必ず医療機関と連携し、多くの情報を得て比較したうえで、納得のできるドナーを選択しましょう。
I LOVE BABYでは、不妊治療に関するさまざまな情報を紹介しています。治療に関するご相談も受け付けているので、ぜひご相談ください。
一般社団法人 I LOVE BABYについて
I LOVE BABYでは、他社の精子バンクや、SNSやインターネットなどの精子提供アカウントではサポートしていないクリニックの紹介・治療サポートまで行っています。実際、紹介するクリニックでは妊娠の実績があるため安心して治療に専念できます。
治療を開始すると依頼者様がクリニックへ通っていただく形となります。通院している間も、不安にならないよう受診毎に連絡を取り合うなど、依頼者がストレスを感じることないよう、I LOVE BABYではサポートをさせて頂いています。
I LOVE BABYが皆様に選ばれる理由
日本人精子ドナーのご紹介
全てのドナー登録者は厳しい審査と検査を通過し、心身ともに健康な日本人ドナーの紹介が可能です。
ドナーが全員、精神疾患や、がんをはじめとする病気の検査を済ませており、陰性証明もご提示します。
クリニックの高度な生殖医療技術
精子提供においての妊娠に影響する最も重要な要素の一つは、依頼者の年齢とご自身の卵子の質です。
卵子を精子ドナーの精子と体外受精を行った後、培養した受精卵の中から最も質の良い受精卵(胚)を依頼者に移植することによって、妊娠の可能性を最大限に向上させます。
安心のサポート体制
精子提供プログラムは、依頼者と精子ドナー、そして私たちとの信頼関係が大切で、プログラムを円滑に進める為の重要な鍵となります。
治療を開始致しますと、基本的には依頼者お一人でクリニックに通って頂く形となります。その間も受診毎に連絡を取り合い、依頼者がストレス無く治療を受けられるようにサポートさせて頂きます。
ドナーについて
I LOVE BABY では現在、極めて厳しい審査をクリアした提供者を準備させて頂いております。
本人・親族を含め心身の持病等は一切無く、非常に健康で長生きの家系です。
健康状態だけでなく、ドナーの皆様は人間性も素敵です。
不妊治療にお悩みの方や、精子提供を必要としている方に、何としても最高峰の支援をお届けしたいとの強い気持ちから、極めて厳選した提供者を選び抜くことが出来たと自負致しております。
不妊治療・精子提供をお考えの皆様へ
「子どもが欲しい」という願いをもっている方がたくさんいらっしゃるのに対し、本当に安心・安全が守られた状態で精子を受け取れる機会はそう多くありません。
むしろ、その気持ちにつけ込む悪質な提供者が潜んでいるのが、残念ながら実情です。
個人間で精子を取引して、トラブルに巻き込まれてしまう方を一人でも減らすためにも、私どものような法人が認知と信頼を拡大していかなければならないと考えています。
もし、お子さまを望まれるのであれば、見知らぬ個人間でのやり取りではなく、仕組みが整備された法人サービスを選んでいただきたいと強く思います。
そのうえで私どもとご縁があり、そして可愛い赤ちゃんがお生まれになられれば、こんなにうれしいことはありません。
代表インタビューはこちら>>I LOVE BABYが提供する『こうのとりあしながプロジェクト』とは?
精子提供の無料相談&支援サイトの一般社団法人I LOVE BABY