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シングルマザーに適した資格とは?資格取得の利点と支援制度も紹介

シングルマザーは、育児や家事などのプライベートとも両立しやすい就職先を選ぶことが大切です。
また、労働に見合った対価が得られるように、資格の取得も視野に入れておきたいところです。

この記事では、シングルマザーが就いている仕事について取り上げ、資格を取るメリットやおすすめの資格を詳しく取り上げています。

資格取得のための支援制度や、資格をとるうえで意識したいポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

シングルマザーが就いている仕事とは?

シングルマザーの就職先として多くみられる職種は以下のとおりです。

【シングルマザーに多い仕事】

  • オフィスワーク
  • 医療、介護
  • サービス業
  • 専門職

事務職のように、業務時間が不規則ではなく残業の頻度も多くない職種は人気があります。

賃金を重視する方には医療・介護業も注目されています。
特に働きながら資格を取得できる介護は賃金アップが期待できる業界でもあるため、給与ややりがいと同時にキャリアアップも叶えられる職業といえるでしょう。

医療・介護の次に多い接客・販売業は、託児室のような設備や福利厚生が整っているケースが多く、育児と仕事を両立したいシングルマザーやワーキングマザーに支持されやすい傾向にあります。

すでに資格や専門的な技術をもっている場合は、それぞれの強みを活かして専門職に従事することも可能です。

専門職の一例には「栄養士」や「教員」といった職業が挙げられます。
結婚前から従事してきた仕事や業界がある方は、他にはない特技や強みを活かせる専門職を選ぶこともできます。

関連記事:シングルマザーにあった働き方は?おすすめの仕事も紹介

シングルマザーが資格を取るメリット

シングルマザーに多くみられる悩みとして、収入の問題があります。
そうしたお悩みを解決するために資格の取得が選択肢となりますが、資格を取ることで得られるメリットは3つあります。

メリット①収入がアップする可能性がある

資格を取得すると、業種や勤務先によっては「資格手当」が加算されます。
資格手当があれば通常の給与よりも手取りが増えるために、昇給や役職手当などと合わせて収入アップが期待できるでしょう。

また、資格によって「一定の知識やスキルを満たしている」と証明できるため、専門性を活かした仕事も可能です。
専門性が問われる仕事ほど収入面でも安定しやすく、長く働ける職場や仕事にも巡りあえる可能性があります。

メリット②仕事を選べる

資格をもつことで、採用の間口が広くなり売り手市場になる可能性もあります。
専門的な知識をもっていなければごく普通の働き方となってしまいますが、資格をとっていれば「有資格のみ」の募集にも応募できます。

今までとは違い有資格者限定の仕事も選択肢に加えられるので、無資格の状態よりも仕事を選びやすくなる点が大きなメリットになるのではないでしょうか。

メリット③アピールポイントになる

求人募集には、「◯◯の資格や知識がある方」といった限定的な条件がついているものがあります。有資格者になることで、それらの求人にも応募できるようになり、履歴書や面接でもアピールの材料にできます。

段階的に資格を取得する必要がある業種では、キャリアアップを後押ししてくれる好条件での採用が期待できるでしょう。

一例として、介護業界では「介護職員初任者研修」から「介護福祉士実務者研修」へ進み、国家資格である「介護福祉士」の資格を取得するルートが用意されています。

介護福祉士として経験を積んだ後は「ケアマネージャー」や「認定介護福祉士」が目指せます。

将来的に認定介護福祉士になりたいと考えている方がすでに介護職員初任者研修の資格を取得していれば、採用と同時にステップアップを職場に応援してもらえる可能性もあるのです。

シングルマザーにおすすめの資格9選

ここからは、シングルマザーにおすすめの資格について詳しくみていきましょう。
専門的な知識と技術を求められるものから、社会人になってからでも受験できる資格まで、9つの資格試験について紹介します。

資格①医療事務

医療事務は、医療機関で患者さんへの応対や医療費の計算・請求といった事務作業を行う職業です。

医療事務として認められるための資格は複数あり、毎月または年に複数回試験が実施されています。
4種類ある試験(2023年時点)のうち、「メディカルクラーク®」について紹介します。

受験資格

問わない

受験方法

試験会場またはオンライン

受験料

7,700円

合格率

約60~80%

向いている人

医療スタッフと連携し、患者さんへも思いやりをもって対応したいと考えている人

医療事務の資格は複数あり、「医療報酬請求事務能力認定試験」や「医科医療事務管理士®技能認定試験」なども行われています。

資格②登録販売者

登録販売者は、薬局やドラッグストアで一般向けの第2類・第3類医薬品や医療機器を販売できる専門資格です。

資格試験は2009年に新設され、現在では年1回のみ都道府県ごとに実施されています。薬品の販売を行う店舗では登録販売者の設置が義務付けられています

受験資格

問わない

受験方法

試験会場

受験料

18,200円

合格率

約40~50%

向いている人

医療・健康情報に関心があり、人と向き合いながら生活や健康のサポートをしたい人

登録販売者試験は、学歴や職歴などが問われないため受験しやすい資格試験です。
保険調剤薬局で薬剤師をサポートする「調剤事務管理士」とは異なる資格のため、違いに注意が必要です。

資格③保育士

保育士は、児童福祉法に基づく国家資格として、乳児から小学校入学前の子どもに対し、保育に関する指導を行う仕事です。

国家資格のため、所定の試験を受験して合格しなければなりません。

受験資格

大学・短期大学・専門学校の卒業、または2年以上の実務経験

受験方法

試験会場

受験料

13,050円〜13,823円

合格率

約20%

向いている人

小さな子どもと向き合いながら成長を見届け、必要な支援や教育を提供したい人

保育士試験は最終学歴によって受験資格が変わります。

基本的に、保育士と関わりのある学校や学部を卒業していれば受験資格が得られますが、該当する学歴をもたない場合は児童福祉法第7条に定められている児童福祉施設で実務経験を積む必要があります。

資格④看護師

看護師とは、医療機関で患者や妊産婦への療養上の世話・診療の補助にあたる職業です。看護計画を立てたりコミュニケーションをとったりと、幅広い業務をこなします。

専門性が高い職業のため、国家資格として位置づけられています。

受験資格

所定の大学・短期大学・専門学校・養成課程校の卒業

受験方法

試験会場

受験料

5,400円

合格率

約90%

向いている人

責任感があり、医療の世界で患者さんやその家族と関わりながらサポートをしたい人

看護師国家試験の受験資格を得るためには、看護大学・看護短大・看護専門学校(養成所)・5年一貫看護師養成課程校への通学と卒業が必要です。

資格⑤歯科衛生士

歯科衛生士は、歯科医院・病院・介護施設・訪問歯科診療・メーカーなどで勤務し、虫歯や歯周病の予防処置や歯の健康指導を行う専門職です。

歯や口腔内のお悩みに対し、アドバイスやケアを行いながら健康づくりのサポートを担うため、大きなやりがいが得られます。

受験資格

所定の学校・養成所・外国の歯科衛生士学校の卒業、または外国において歯科衛生士免許を取得

受験方法

試験会場

受験料

14,300円

合格率

約95%

向いている人

口腔ケアや歯と歯ぐきの健康に関心があり、患者さんをケア・サポートしたい人

歯科衛生士国家試験の受験には、文部科学大臣の指定した歯科衛生士学校または都道府県知事の指定した歯科衛生士養成所の卒業が条件となります。

資格⑥介護福祉士

介護福祉士は、介護を必要とする人に適した生活行為・生活動作を支援する唯一の国家資格です。

介護を受ける利用者やその家族に対し、あらゆる生活の支援や相談対応を行います。介護福祉士の資格を得た後は認定介護福祉士やケアマネージャーを目指すことができます。

受験資格

所定の学校・養成所の卒業、または3年以上の実務経験かつ所定の研修の修了

受験方法

試験会場

受験料

18,380円

合格率

約74%

向いている人

介護やケアを通じて、施設の利用者やその家族をサポートしたいと考えている人

介護福祉士は近年需要が高まっている介護業界の中でも上位に位置する国家資格です。
養成施設ルート・実務経験ルート・福祉系高校ルートに加えて、海外からの人材を受け入れるための経済連携協定(EPA)ルートも用意されています。

資格⑦作業療法士

作業療法士は、心身に障がいを抱える方に対し、日常的な動作の練習などのリハビリテーションを提供する専門職です。

医療機関などに勤め、医師の指示を受けて作業療法を実施するため高い専門性を有する職業であり、国家資格として位置づけられています。

受験資格

所定の大学・短期大学・専門学校の卒業

受験方法

試験会場

受験料

10,100円

合格率

約83%

向いている人

リハビリテーションを通して人々と関わり、生活や行動のサポートをしたい人

資格⑧栄養士・調理師

栄養士は、個人または集団に対し、食事や栄養に関する指導を行ったり、栄養バランスのとれた献立の作成や調理方法の改善を行ったりする専門職です。

乳幼児から高齢者まで幅広い人々へのサポートが行えるほか、食と栄養に関するプロとしてさまざまなシーンで活躍できます。
栄養士実力認定試験に合格し、資格を取得した後は「管理栄養士」へとステップアップできます。

受験資格

所定の養成施設の卒業

受験方法

試験会場

受験料

4,000円

合格率

約51%

向いている人

栄養と健康の関係に関心が高く、栄養のスペシャリストとして食に関わりたい人

調理師は、食品の調理技術の発達や食生活の向上を図るために設けられた国家資格です。

日本独自の国家資格ですが、調理のスペシャリストとして学校や施設などさまざまな職場で活躍できます。
有名ホテル・飲食店で勤務する際にも有利に働く資格です。

受験資格

所定の学校・学科を卒業+2年以上の実務経験

受験方法

試験会場

受験料

実施都県により異なる

合格率

約60~70%

向いている人

調理が得意または興味があり、飲食店やホテルでの勤務を考えている人

調理師国家試験は学歴と職歴が受験資格に含まれます。
調理師法施行規則第4条に定める施設で2年以上調理業務に従事していることが条件になります。

資格⑨WEBデザイナー

WEBデザイナーはクリエイティブ職の一つとして注目されている職業で、日本では唯一の国家資格である「Webデザイン技能検定」が知られています。

受験資格

(3級)

  • Webの作成や運営に関する業務に従事している、または従事しようとしている

(2級)※いずれか1つに該当すれば受験可能

  • 所定の職業高校・短期大学・専門学校・高校専攻科・専修学校・各種学校の卒業または普通職業訓練を修了
  • 所定の高度職業訓練を修了
  • 2年以上の実務経験
  • 3級の技能検定に合格

(1級 学科試験)

  • 所定の職業高校・短期大学・専門学校・高校専攻科・専修学校・各種学校の卒業または普通職業訓練を修了後、5年以上の実務経験
  • 所定の大学卒業後、3年以上の実務経験
  • 所定の高度職業訓練修了後、1年以上の実務経験
  • 7年以上の実務経験
  • 2級の技能検定に合格し、2年以上の実務経験

(1級 学科試験)

  • 1級の学科検定に合格

受験方法

試験会場

受験料

学科試験:6,000円〜8,000円(級によって異なる)

実技試験:8,000円〜25,000円(年齢・級によって異なる)

合格率

約10〜70%

向いている人

Webデザインが得意または興味があり、実務レベルでスキルアップをしたい人

Webデザイン技能検定は、すべての人が受験対象となる3級からステップアップしていく試験です。
2級からは実務経験が必要になり、1級では実技試験を受ける前に学科試験に合格していることが条件となっています。

※25歳未満の在職者は2級と3級の実技試験の受検手数料が減免になります。

資格取得のための支援制度

資格によっては、専門学校や短期大学など所定の学校・養成所へ通わなければ受験資格が得られない場合があります。
その際に利用できる支援制度を3つ紹介します。

自立支援教育訓練給付金

自立支援教育訓練給付金は、就業を目指して資格を取得しようとしているひとり親の方に支給される給付金です。
シングルマザー・シングルファザーがどちらも対象となります。

以下にすべて当てはまる方が給付を受ける条件となっています。

【自立支援教育訓練給付金の条件】

  • 20歳未満の児童を扶養していること。
  • 自立支援教育訓練給付金事業を実施している自治体に居住していること。
  • 児童扶養手当を受給している又は同等の所得水準にあること。
  • 当該教育訓練を受けることが適職に就くために必要であると認められること。
  • 原則として、過去にこの給付金を受給していないこと。

高等職業訓練促進給付金

高等職業訓練促進給付金は、資格を取得しようとしているひとり親の修業期間中の生活費を支援するための給付金です。
シングルマザー・シングルファザーがどちらも対象となります。

以下にすべて当てはまる方が給付を受ける条件となっています。

【高等職業訓練促進給付金の条件】

  • 高等職業訓練促進給付金を実施している自治体に居住していること。
  • 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること。
  • 養成機関において6月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれること。
  • 就業又は育児と修業の両立が困難であり、資格取得後の就業が見込まれること。
  • 前年度に引き続き、継続して訓練促進給付金の支給申請を行う方については、前年度までの履修状況が良好であり、必要な通常の履修条件を満たしていること。
  • 雇用保険法に定める訓練延長給付や教育訓練支援給付金等、高等職業訓練促進給付金等事業と趣旨を同じくする給付を受けていないこと。
  • 原則として、過去に訓練促進給付金及び修了支援給付金を受給していないこと。

条件の中にある養成機関とは、保育士や介護福祉士、調理師などの専門性を有する資格が取得できる学校や養成所のことです。

※詳しい資格内容や給付の対象となる養成施設については、お住まいの都道府県の高等職業訓練促進給付金等事業ページを参照してください。

マザーズハローワーク

マザーズハローワークとは、仕事と子育てを両立させたい方や、介護・育児といったライフイベントにより勤務期間にブランクがある方などのライフスタイルに寄り添い、就職活動の支援を行っている施設です。

全国に21ヶ所設置されているマザーズハローワークに加えて、一般のハローワークの中にも「マザーズコーナー」と呼ばれる窓口が計185ヶ所設けられています(※)。

お子さんを連れて仕事を検索したり、紹介や相談を行ったりできるほか、面接対策やパソコン講習の実施、子育て支援に関する情報もチェックできます。

※2023年12月時点での情報

関連記事:シングルマザーの大変なことは何?解決策もご紹介

シングルマザーが資格取得するときのポイント

シングルマザーが資格を取得する際に意識したい3つのポイントも確認しましょう。

ポイント①無理なく取得できるか

資格の中には、通学や勉強時間が負担になってしまうものもあります。
難易度の高い資格に挑戦すると、途中でモチベーションが低下するおそれもあります。

資格の将来性だけを見ず、興味・関心のある分野かどうか、その分野で仕事が続けられそうかも確認し、資格の取得を考えてみてください。

ポイント②資格の需要が高いか

その資格について、求人募集や需要があるかも重視したいところです。

好条件での採用、または職場で即戦力となれるような資格があると、就職や転職に役立てられるでしょう。

ポイント③短期間で合格できるか

合格までに何年もかかってしまう資格は、やりがいや収入アップが期待できる一方で中途挫折のリスクも伴います。

シングルマザーの方は、できれば短期間で合格を目指せる資格からチャレンジすることをおすすめします。

資格取得に関して心がけておきたいこと

資格取得に関して心がけておきたいポイントは、以下の2点です。

  1. 取得までに費用・時間がかかる
  2. 資格が収入に反映されにくい場合がある

どの資格も、勉強を始めてから取得に至るまでには時間がかかります。数ヶ月〜数年まで幅がありますが、通学や自宅学習によってプライベートの時間が少なくなる点には注意が必要です。

また、資格をもっていても実務の年数が必要になる場合があります。
そのような職場では、資格をとったからといってすぐに収入アップとはならないため、資格手当の有無や支給のタイミングを確認しておきましょう。

資格なしでも就きやすい仕事とは?

資格をもたなくても就職できる仕事というものもあります。
医療事務・介護職・コールセンター・工場勤務の4つについて詳しく確認していきましょう。

医療事務

医療事務は、資格をもたない状態からでも勤務可能です。
有資格者のほうが有利に働きますが、資格を不問としているクリニックでは、基本的な事務能力や経験があれば採用される可能性があります。

介護職

介護職も、資格のない状態から勤務できる仕事です。
身体介護は有資格者に限られますが、利用者とそのご家族への生活サポートやコミュニケーションなどから始めて、研修を経て本格的な介護業務へと移行できます。

コールセンター

コールセンターは、ビジネスマナーやパソコンスキルを活かせる仕事の一つです。
人との会話が好きな方に適しており、週2回から・夜勤あり・福利厚生付きなど、多様な働き方が選べる職種でもあります。

工場勤務

工場は、いわゆる製造業や加工業と呼ばれる業種です。
製造ラインや加工ラインに携わる仕事ですが、必ずしも専門性を求められるわけではなく、未経験から始められる職場も数多くあります。

家庭と両立できる資格を選ぼう

今回は、シングルマザーが資格を取得するメリット、シングルマザーに適した資格や支援制度について紹介しました。

育児や家事といった家庭生活と仕事の両立は難しいと思われやすいものですが、行政や地方自治体からの支援制度・サポートを活用したり、シングルマザーに適した職場や働き方を選んだりと工夫することで、負担を軽くしながら両立を続けられます。

スキルアップや収入アップを叶えてくれる資格を選び、支援やサポートを利用して新たな働き方を考えてみてはいかがでしょうか。

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