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妊活で男性がやるべきことは?必要な心構えや意識すべきポイント

男性の中には「妊活は女性が行うもの」といったイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
ですが、男性の協力と努力なくして妊活は進められません。

ただ「そもそも男性には何ができるのかわからない」という方もいるはずです。
そこで、妊活中に自分が行うべきことについて理解を深めたい男性のため、心構えや意識したいポイントを解説します。

この記事を読むことでどのような形で妊活に取り組んでいけば良いかがわかるようになるので、ぜひご覧ください。

妊活とは?

妊活とは、子どもを授かるために行う活動全般のことをいいます
性交渉だけではなく、妊娠のために必要な検査と治療を受ける、妊娠・出産について夫婦で話し合いをする、適切な生活習慣の見直しや運動を行うなど、さまざまなことが該当します。

妊娠するのは女性ではありますが、男性の協力が必要不可欠です。
そのためには、妊娠の仕組みや、女性の支え方に関する知識なども学んでいく必要があるでしょう。

男性ができることはたくさんあります。
同時に気をつけなければならないことも多いので、妊活・妊娠について意識を高めていくことが欠かせません。

不妊の原因は男性にもある

不妊といえば女性が悩んでいるものといったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、男性を原因とする不妊も少なくありません。

厚生労働省では、女性と比較すると、男性は35歳ころから精子の質の低下が起こるとしています。
これにより性機能障害、精子の数や運動率の低下が起こり、不妊を招くことがあります。(※1)

不妊の原因は男性にもあることを十分に理解し、必要な検査を受け、場合によっては治療をする、その他生活習慣を見直すなどさまざまな取り組みが必要です。

また、世界保健機構(WHO)が行った調査によると、原因が男性のみにあるのは24%、女性のみが41%、原因不明が11%です。
男女ともに原因があるケースが24%であるため、男性不妊は48%、女性不妊が65%であることを考えると、不妊は夫婦で理解を深め、対策に取り組んでいかなければならないことがわかります。(※2)

(※1)

参考:(PDF)厚生労働省 政策統括官付政策評価官室 アフターサービス推進室:不妊のこと、1 人で悩まないで[PDF]

(※2)

参考:東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科):男性不妊の検査 診断 治療の手順(方針)

男性が妊活を始める前の心構え

男性はどのような心構えで妊活に取り組んでいくべきなのでしょうか。
大切なポイントを3つ紹介します。

妊娠について正しい知識を得る

何より重要なのが、妊娠に関する正しい知識を得ることです。
例えば、基本的な妊娠のしくみや、女性の体の仕組みについて知ることは欠かせません。

正しい知識を持てば効率的な妊活ができるだけではなく、女性にとっての安心にもつながるでしょう。

妊活の方向性をパートナーと話し合う

パートナーと話し合いをしておくことも重要です。
どのように妊活に取り組むのか、いつまでに子どもが欲しいのか、不妊治療が必要な場合はいつから行うのかなどを話し合っておきましょう。

話し合いの結果、パートナーと意見のすれ違いが出ることも考えられます。
ですが、落ち着いて話し合いをし、2人が納得する形で妊活を行っていく必要があります。

妊活がうまくいかない可能性も考慮する

妊活をしたからといって、すぐに子どもを授かるとは限りません。
実際に妊活を始めてから妊娠するまでに何年もかかってしまい、長く不妊治療を継続したものの最終的に子どもに恵まれなかった方もいます。

妊活がうまくいくことだけをイメージして始めてしまうと、つまずいてしまった時に挫折しやすくなるため、うまくいかない可能性も考慮しておかなければなりません。

目安として、避妊せずに妊娠のため性交渉をしているものの1年以上授からない場合は不妊症の恐れがあります。
妊活がうまくいかなくなってから不妊治療について切り出すのは難しいこともあるため、妊活を始める前の段階で一度不妊治療に関する話し合いをしておくと良いでしょう。

男性が妊活前に受けるべき検査

妊活は、妊娠に必要な体の機能が正常な状態でなければなかなかうまくいきません。
そのため、妊活前には以下の検査を受けましょう。

検査①精液検査

精子の数や状態に問題があれば妊娠の成立は難しくなってしまいます。
精液検査は、以下を調べる検査です。

【主な検査内容】

  • 精液1mlあたりの精子の数
  • 正常に動いている精子の割合
  • 精子形態
  • 射精時に排出される精液の量
  • 精子濃度

どの項目を検査するかは病院によっても異なります。

状態に問題がなければ自然妊娠も望めますが、問題がある場合は人工授精や体外受精といったものを検討していかなければなりません。
検査は、キットを使用して自宅で行う方法や、クリニックで行う方法があります。

検査②風疹の抗体検査

風疹(ふうしん)とは、発熱や発疹、リンパ節腫脹といった症状が現れるウイルス性発疹症のことです。
風疹ウイルスによって引き起こされる感染症なのですが、妊娠初期の女性が感染してしまった場合、赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症する恐れがあります。

先天性風疹症候群とは、赤ちゃんに白内障や難聴のほか、先天性心疾患をおよぼしてしまう疾患です。

仮に男性が風疹のウイルスを自宅に持ち込んでしまい、女性にうつしてしまったとなると大変です。
過去に予防接種を受けている方でも抗体が少なくなっている可能性があるので、風疹の抗体を調べる検査を受けておきましょう。

検査③感染症の検査

何らかの感染症に感染している場合、風疹と同様に女性にうつしてしまう恐れがあります。
例えば、梅毒やクラミジア、HIV、B型肝炎、C型肝炎などです。

血液検査により各種感染症のリスクをチェックできます。

男性が妊活で意識すべきポイント

男性は婚活においてどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
ポイントを解説します。

ポイント①過度な飲酒を避ける

過度の飲酒は精液量と形態に悪影響を与えます。
毎日飲酒するのは避け、飲酒量も抑えましょう

ポイント②カフェインの摂りすぎに注意する

カフェインを取り過ぎると精子の形態異常につながる恐れがあります
コーヒーでいうと2~3杯程度であれば問題ありませんが、コーヒー以外にもカフェインが含まれているため注意が必要です。

ポイント③偏った食生活を改善する

健康な精子を作るためにはバランスのとれた食生活も重要です。
現在食生活が偏っている場合は改善を検討しましょう。

関連記事:質の良い精子の条件とは?メリットや質を高める時にしたいこと

ポイント④十分な睡眠をとる

睡眠時間が不足すると良質な精子を作ることができません。
6~8時間程度の睡眠時間を確保し、睡眠の質も高められるように工夫してみてはいかがでしょうか。

ポイント⑤ストレスを溜めすぎない

ストレスをため込むと精子を生成するのに必要なテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの分泌が低下し、男性不妊につながる恐れがあります。
特にストレスを溜め込みやすい方は意識して定期的に発散しましょう。

ポイント⑥肥満を改善する

肥満体型の方はそうでない方と比較して男性ホルモンが減ってしまいます。
さらに精子量の減少やDNA損傷の高い精子の増加につながることもあるため、適正体重を目指すためのダイエットに取り組んでみてください

ポイント⑦禁煙する

喫煙をしている方はそうでない方よりも精子の運動量や数が減少し、形態異常が増加すると報告されています。
受動喫煙でパートナーが煙を吸ってしまうのも良くないので、タバコを減らすのではなく、禁煙を目指していきましょう。

ポイント⑧無理な禁欲は避ける

無理に禁欲すると古い精子がたまり、精液の質が下がってしまう恐れがあります。
精子は毎日作られていくものなので、無理な禁欲は必要ありません

ポイント⑨下半身の圧迫・刺激を避ける

下半身を圧迫したり刺激を与えたりすることで付近の血流が悪くなり、精子に悪影響をおよぼしてしまう恐れがあります。
締め付けの強い下着を履いたり、長時間自転車のサドルで圧迫・刺激されたりすることがないように注意してください。

ポイント⑩下半身を温めすぎない

精子や精巣は熱に弱い特徴を持ちます。
そのため、お風呂やサウナに長く入る、熱を持つノートPCをひざの上に乗せて使うといった行動はNGです。

ポイント⑪育毛剤の使用は控える

育毛剤には男性ホルモンの作用を抑える成分が含まれています
その副作用として精子数の減少や射精障害、EDなどにつながることがあるため、妊活中は使用を控えたほうが良いでしょう。

妊活中の男性に効果的な栄養素

妊活中は女性と同様に男性も摂取する栄養素に注目していかなければなりません。
特に、葉酸、たんぱく質、亜鉛、オメガ3脂肪酸、ビタミンC、ビタミンB12、ビタミンEに注目しましょう。

葉酸

葉酸(ようさん)は、妊活中・妊娠中の女性にとって必須といえる栄養素です。
また、精子のDNAの損傷を防ぐ働きがあることから男性もしっかり取り入れていきましょう。

ほうれん草や枝豆などに多く含まれていますが、効率よく摂取するためにはサプリメントを飲むのもおすすめです。

12歳以上の男性に推奨されている摂取量は1日あたり240㎍です。(※)

(※)

参考:健康長寿ネット:葉酸の働きと1日の摂取量

たんぱく質

タンパク質は三大栄養素の一つであり、健康な体作りをするために欠かせないものです。
タンパク質は精子そのものを作る働きがあるほか、性機能を維持する役割も持っています。

普段、ご飯や麺類などの主食だけを食べる癖がある方はたんぱく質が不足してしまう恐れがあるため注意しなければなりません。
たんぱく質は、肉や魚、卵、豆腐や納豆といった豆類、乳製品などに多く含まれています。

摂取推奨量は18~64歳の男性で1日あたり65gです。
また、18~49歳は摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%が理想とされています。(※)

(※)

参考:健康長寿ネット:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量

亜鉛

亜鉛は、精子の形成や品質、運動能力と関わり合いの深い栄養素です。
牡蠣に多く含まれることで知られますが、毎日牡蠣を食べるのはなかなか現実的とはいえません。
牛肉やチーズ、ナッツ類などにも含まれているので、これらも取り入れていきましょう。

亜鉛の摂取推奨量は18~74歳の男性で1日あたり11mgです。
過剰摂取した場合は銅欠乏、貧血、胃の不調などにつながる恐れがあることから、18~29歳の男性で40mg、30~64歳の男性で45mg、65歳以上の男性で40mgの耐容上限量も定められています。(※)

(※)

参考:健康長寿ネット:亜鉛の働きと1日の摂取量

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸とは、精子形成と関連性のある栄養素です。
クルミやサバ、イワシなどに多く含まれています。

厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2020年版)では、オメガ3(n-3系)系脂肪酸全体での摂取の目安量を発表しています。
男性の場合、1日あたり15~17歳は2.16g、18~29歳は1.92g、30~49歳は2.03g、50~64歳は2.16gなどとなっています。(※)

(※)

参考:(PDF)厚生労働省:1―3 脂質[PDF]

ビタミンC

ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、精子を強くする働きが期待できます。
キウイやイチゴ、緑黄色野菜などに多く含まれます。

成人の場合、1日の推奨量は100mgです。(※)

(※)

参考:健康長寿ネット:ビタミンCの働きと1日の摂取量

ビタミンB12

ビタミンB12は、精子の形成と関わる栄養素です。
しじみや焼き海苔、サンマなどに含まれています。

18歳以上の男性の場合、1日あたりの摂取推奨量は1.4mgです。(※)
取りすぎは健康被害につながるおそれがあるため、注意しましょう。

(※)

参考:健康長寿ネット:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量

ビタミンE

ビタミンEは、ビタミンCと同様に強い抗酸化作用を持つ栄養素です。
抗酸化作用により精子の老化を防ぎます。
ナッツ類やウナギ、かぼちゃなどに豊富に含まれています。

1日当たりの摂取目安量は18歳~49歳で6.0mg、50歳~74歳で7.0mgです。(※)

(※)

参考:健康長寿ネット:ビタミンEの働きと1日の摂取量

精子提供について

検査の結果、精子に何らかの問題があって自然妊娠が難しいと判断された場合、精子提供による妊活を行う方法もあります。
提供者の精子を妻の子宮内に注入する、または体外受精・顕微授精するなどの方法で妊娠を目指す方法です。

精子提供を受ける手段はいくつかありますが、近年増えているSNSで知り合った人から提供を受ける方法はリスクの問題もありおすすめできません。
また、親族や知人から提供を受けたいと考える方もいるかもしれませんが、親族や知人から提供された精子を用いた治療に対応している医療機関は少ないです。

主な選択肢となるのは、精子バンクを利用する方法です。
検査を受けて感染症対策もなされた精子が提供されることになります。

子どもが欲しいと望んでいるのであれば、夫婦で話し合いをしたうえで精子提供の利用についても検討してみてはいかがでしょうか。

男性ができることや注意したことは多い

いかがだったでしょうか。
妊活を始める場合、男性は何ができるのか、何を行うべきかなどを紹介しました。

夫婦で協力しながら取り組むことが求められるので、パートナーとよく話し合いを行いながらどのような形で進めていくのか検討してみてください。

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