不妊が疑われる方に向けて、不妊症かもしれないと感じた際の対処法を解説します。
「妊活を頑張っているのに妊娠できない」「どうすれば妊娠できるのかな?」と悩んでいる方は少なくありません。
「もしかしたら不妊症かも?」と不安に思ってしまうこともあるでしょう。
生理がくるたびに落胆したり、不安になったりして、気持ちが沈んでしまうことはありませんか?
そこで、不妊症かもしれないと感じたときに役立つ、不妊の原因やセルフチェックリスト、対処法をご紹介します。
男性と女性の両方の視点から解説するため、ご夫婦の今後の生活に役立てていただけます。
目次
不妊症とは
「不妊症」とは「避妊をせず子作りをしているのに、2年以上妊娠にいたらないこと[1]」です。
さらに2年を待たずとも、次のようなケースでも不妊症と認められます[1]。
【不妊症とされるケース】
- 1年以上妊娠せず、ご夫婦が検査や治療を受けたいと希望している
- 女性の年齢が35歳以上である
- 卵管・子宮の手術をしたことがある
もし女性側の年齢が高かったり、卵管や子宮の手術の経験があったりする場合は、妊娠しない期間が1年に満たなくても不妊症として認められるので、専門の治療を始められます。
35歳以上の女性が不妊症になる可能性は約30%とされており、早めに検査や治療を始めることが推奨されるでしょう[1]。
不妊を招く主な原因
「不妊症かもしれない」と感じたら、まずは原因を確認することが重要です。
原因1:加齢の影響
ひとつめは加齢による不妊です。
卵子と精子の質は、35歳ごろから低下していくと言われています[2]。
卵子は排卵のたびに減少するため、30代後半ごろから妊娠率の低下が自然に進みます[3]。
また、卵子の質も年齢とともに低下すると考えられています[3]。
30歳半ばからは自然妊娠しにくくなり、40歳代半ばではほぼ困難になるのが一般的です[1]。
加齢は不妊の主要な要因の一つと考えられるでしょう。
原因2:心理的な影響
心理的な影響も不妊の原因のひとつとなります。
女性が強いストレスを受けると、活性酸素が発生し、細胞が損傷することで排卵障害を引き起こす可能性があると考えられています[4]。
たとえば、職場や家庭内でのストレスや人間関係の悩みは、心理的ストレスとなり、不妊の原因となる可能性があります。
日頃から強いストレスを抱えていると、不妊症のリスクが高まるため、注意が必要です。
【女性】不妊症が疑われる症状
もし「不妊症かも…」と思ったら、不妊症の症状を確認することが役立つでしょう。
ご自身にあてはまるものがあれば、早めに産婦人科を受診してみてください。
症状1:市販薬が効かないくらい月経痛が重い
月経のたびに、市販の鎮痛剤では効果がないほど月経痛が重い場合があります。
1日中動けなかったり我慢できなかったりするほどの月経痛がやってくることはありませんか?
月経痛が重い場合、「子宮内膜症」の可能性があります。
子宮内膜症では合併症として不妊症が引き起こされることも珍しくありません[5]。
卵子の質が低下する可能性もあります。
治療は産婦人科で受けられるので、月経痛が重いようであればまずは子宮内膜症の治療から始めましょう。
症状2:月経周期や期間、経血量が異常である
月経の周期や期間、経血量が異常であることも、不妊症かもしれない症状のひとつです。
たとえば、月経周期が不規則である場合や、期間が短すぎる・長すぎる、または経血量が極端に少ない・多い場合などが該当します。
一般的な月経は25~38日周期で訪れ、出血期間は3~7日です[6]。
経血量は20~140mlとされています[6]。
月経の周期や期間、経血量を観察して、平均から外れていないかチェックしてみてください。
症状3:性感染症のような症状がみられる
性感染症のような症状がみられるときも、不妊になることがあります。
感染すると、子宮内膜症や卵管炎を発症する可能性があるためです[7]。
それぞれの症状は次のとおりです。
病名 |
症状 |
子宮内膜症 |
|
卵管炎 |
|
クラミジア感染症 |
|
淋菌感染症 |
|
子宮内膜症は性感染症以外でも起こりますが、子宮内膜症は大腸菌やブドウ球菌、クラミジア、淋菌の感染によって生じます。
クラミジア感染症は感染率が高く、不妊症の原因となることが多いため、適切な治療が必要です。
該当する症状があり、不妊の可能性を疑う場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
【男性】不妊症が疑われる症状
続いて、男性の不妊が疑われる症状について解説します。
もし次のような症状が見られるなら、やはり治療を受けたほうがよいでしょう。
症状1:精液の量が極端に少ない
男性の不妊が疑われる主な症状の一つは、精子の量が極端に少ないことです。
不不妊症の原因として、精子に関する問題が挙げられます。
精液量が2.0ml未満、精子濃度が2000万/ml未満の場合は、正常範囲外とされています。
しかし男性も加齢や心理的な影響により、精子の量が少なくなったり質が低くなったりすることも。
さらに次のようなケースが考えられます。
【精液の量が少ないケース】
- 加齢
- 心理的な影響
- 無精子症:精子が含まれない精液が出る状態
- 閉塞性精路障害:射精のための管が閉じている状態
- 逆行性射精:射精された精液が膀胱に戻る状態
精液の量が極端に少ない、または全く確認できない場合は、男性側に不妊の原因がある可能性があります。
症状2:精索静脈瘤により精子の機能が低下している
精索静脈瘤によって、精子の機能が低下する可能性があります。
精索静脈瘤とは静脈内で血液が逆流し、精巣内にコブができている状態のことです。
コブができると血液が滞留して、精子の機能が低下するとされます。
精索静脈瘤は男性不妊の多くの割合を占めるとの報告もありました[9]。
性成熟した男性の15~20%に精索静脈瘤が見られると報告されています[9]。
不妊症の可能性があると感じた場合は、精索静脈瘤の検査を受けることを検討しましょう。
症状3:糖尿病や甲状腺機能低下症などが発症している
糖尿病や甲状腺機能低下症を発症すると、不妊の原因になることがあります。
もし罹患すると、糖尿病では射精障害に陥りやすい状態に[10]。
甲状腺機能低下症では、精子を作る機能が低下し、不妊のリスクが高まります[10]。
そのほかにもヘルニアや後腹膜リンパ節郭清手術など、男性不妊の原因となる疾患はさまざまです[10]。
女性が不妊治療を受けても妊娠が難しい場合は、男性側の不妊原因を検査しましょう。
【女性】不妊症のセルフチェック項目
不妊症の可能性がある女性向けに、セルフチェック項目を紹介します。
次の項目に当てはまったら、不妊症が疑われるので医療機関に相談をしてみてください。
【女性編:不妊症セルフチェック項目】
- 年齢が35歳以上
- 婦人科検診を受けていない
- 月経が不規則で痛みが強い
- 不正出血がある
- 性感染症での通院歴がある
- 色のついたおりものが出る
- 喫煙している
- 標準体型から外れている
- 基礎体温・安全日・排卵日を把握していない
- 性交のときに痛みがある
【男性】不妊症のセルフチェック項目
続いて、男性の不妊症の可能性をセルフチェック項目で確認しましょう。
【男性編:不妊症セルフチェック項目】
- 性交時に挿入や射精が困難である
- 陰嚢に腫れ・違和感・痛み・左右のサイズの違いがある
- パイプカットをした
- 泌尿器科での検査を受けていない
- 性感染症での通院歴がある
- 喫煙している
- 標準体型から外れている
- 温度の高い風呂やサウナに入ることが多い
- 下半身を圧迫する下着や洋服を頻繁に着用する
女性が自宅でできる不妊症のチェック方法
女性が自宅で不妊症のチェックをする際は、セルフチェックを行い、そのうえで基礎体温を測ることが推奨されます。
基礎体温を測ることで、妊娠しやすい時期や排卵日を把握しやすくなります。
最低4時間以上の睡眠をとったうえで、朝6〜7時ごろに計測すると、正確なデータが得られます。
自身の体調を把握するためにも役立つため、まずは3カ月間続けてみましょう。
男性が自宅でできる不妊症のチェック方法
男性の場合は、下半身が締め付けられる下着や洋服を身に着けないこと、通気性を良くすることが効果的です。
締め付けが強かったり湿度が高い状態が続いたりすると、精子の量や質に影響を及ぼすことがあります。
不安がある場合は、早めに泌尿器科を受診することが最善の方法です。
男性の精子の数や質を自宅で把握するのは難しいため、検査を受けるのが最善です。
セルフチェックで不妊症の可能性が出たら?
セルフチェックで「不妊症かもしれない」と感じた場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
不妊の原因を突き止めて、適切な治療を受ければ、すぐに妊娠できる可能性もあるでしょう。
女性は産婦人科を、男性は泌尿器科を受診しましょう。
年齢が上がるにつれて、自然妊娠の確率は低下します。
少しでも早く医療機関を受診することが、不妊の解決への第一歩です。
「不妊症かも?」と感じたら医療機関に相談を
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、不妊症かもしれないと感じたときの対処法がご理解いただけたと思います。
男性側・女性側どちらの不妊が疑われても、いち早く医療機関に相談することが最大の解決策です。
「I LOVE BABY」では精子提供の無料相談や総合支援を行っております。
男性不妊が原因で妊娠が難しい場合は、お子様を授かるためのサポートを行っておりますので、ご相談ください。
[1]参照:国立国際医療研究センター病院:不妊症について
[2]参照:厚生労働省:(PDF)不妊のこと、1人で悩まないで
[3]参照:健やか親子21:(PDF)治療が難しい不妊症のためのガイドブック
[4]参照:JSTAGE:(PDF)ストレス依存的な不妊症に対する芍薬の改善効果
[5]参照:国立保健医療科学院:(PDF)分担研究:子宮内膜性を有する不妊症の治療に関する研究
[6]参照:働く女性の心とからだの応援サイト:月経について
[7]参照:国立保健医療科学院:(PDF)性感染症ってどんな病気?~「ひとごと」ではなく「身近なこと」~
[8]参照:日本産婦人科学会:子宮内膜症
[9]参照:JSTAGE:(PDF)精索静脈瘤と男性不妊症
[10]参照:京都医療センター:男性不妊症