妊活とは、妊娠を目指して健康チェックや身体づくり、生活習慣の見直しなどを行うことです。
女性だけではなく男性にも不妊の原因が隠れている場合も多いため、夫婦やカップルで妊活に取り組むケースも増えてきました。
ここでは、妊活を始めてから何回目で子どもを授かれるのか、妊娠できるケースとできないケースの違いや妊活のタイミングを紹介します。
タイミング法を使った妊活での注意点や妊活そのものを成功させるコツについても取り上げていますので、参考にしていただければ幸いです。
目次
妊活を始めたあと何回目で授かることができる?
妊活と成功率には決まった規則はなく、個人差があります。
妊娠には身体のコンディションやパートナーの健康状態などさまざまな要素が絡むためです。
3か月から数年と幅がありますが、株式会社BELTAが行ったアンケート調査によれば、25歳から44歳までの女性全体の平均妊活期間は15.9か月でした。
妊娠に適した健康状態やコンディションが整えば妊活期間は短くなります。しかし、女性側の妊孕性や男性の健康、年齢といった問題も影響するため、16か月を過ぎてから妊娠に至るケースも見られます。
参照:30・40代など年齢別の妊娠確率や平均の妊活期間について|BELTA
年齢別にみる妊娠の確率
避妊法が確立されていない時代において、数世紀にわたり女性の年齢と出産数の変化を調べたところ、女性の年齢と妊孕性には、以下のような関係が見られました。
年齢 | 妊孕性低下の割合 |
20〜24歳 | ‐ |
25〜29歳 | 8.9% |
30〜34歳 | 14.6% |
35〜39歳 | 21.9% |
40〜44歳 | 28.9% |
20〜24歳を100としたとき、25〜29歳では8.9%低下しています。
さらに、30〜34歳では14.6%、35〜39歳では21.9%と、徐々に妊孕性が低下していることがわかりました。
女性は年齢を重ねると婦人科疾患の罹患リスクが高まり、身体的なトラブルも妊孕性を下げる要因と考えられています。
妊娠できる方としにくい方の違い
妊娠できる方としにくい方には、「年齢」「月経の周期や量」「身体の健康状態」の違いが挙げられます。
どのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
違い①年齢
女性が妊娠しやすい年齢は、20代から30代がピークと言われています。
10代はまだ子宮や月経周期などの状態が不安定で未熟であり、妊孕性も低い状態です。
「妊娠しやすい年齢を20代を過ぎると、30代から40代にかけての10年間は妊孕性に変化が見られます。
「年齢別にみる妊娠の確率」で紹介した、30〜34歳の妊孕性の低下度は約15%(20〜24歳との比較)であるのに対し、35〜39歳は21.9%と、20%を超える低下率となっています。
違い②月経の周期や量
月経が25日から39日(または40日)の周期で訪れる場合、妊娠率は一般的であり、特に問題はありません。
意外にも、25日以下の短いサイクルで月経が訪れる方や40日から90日と長いサイクルの方であっても、妊娠率に大きな変化はないと言われています。
しかし、何らかの原因で月経不順が起こり、規則正しく月経が訪れない場合には、排卵日の予測が難しくなるためタイミング法の実施が困難になることがあります。
月経痛や経血量も、身体の状態を把握するうえで重要な指標です。
ひどい月経痛に多量の出血があるという場合には、子宮内膜症などのトラブルが隠れていることがあります。
子宮のトラブルは卵巣機能の低下につながる場合もあるため、放置せず早めに相談することが重要です。
月経不順、経血量が通常より少ないといったケースでも、排卵が起きていれば妊娠は可能です。
ただし、排卵をご自身で確認することはできないため、少しでも気になる症状があれば、医療機関に相談することをお勧めします。
違い③身体の健康状態
妊娠しやすい人の健康状態とは、月経周期に大きな乱れがなく順調であり、性感染症や子宮の機能に問題がないことです。
その他にも、体重が適正範囲内であることやホルモンに関わる疾患がないこと、また喫煙や飲酒の習慣と頻度も健康状態に影響を与えやすい要因です。
健康状態が良好であり、異常やトラブルがない方ほど妊孕性を高く維持できている状態です。
妊活のタイミング
妊活のタイミングについて、タイミング法のメカニズム、成功率、排卵日の予測方法について確認していきます。
タイミング法のメカニズム
タイミング法とは、女性側の月経周期を確認し、妊娠しやすい排卵日の前に性交渉を行って妊娠確率を上げる方法です。
排卵日当日ではなく、数日前に性交渉を行うことが理想とされています。排卵日の前に精子が子宮の内部にあれば、約2日程度は生存するため排卵が起きたときに受精しやすくなるのです。
妊娠の確率を高めるには、女性側で正しく排卵が行われていることや、男性側で精子に異常や問題がなく、排卵日前に子宮内で待機させることが重要です。
タイミング法の成功率
産婦人科クリニックさくらが患者に対して行った調査では、平均年齢34.2歳、22歳から46歳の計460名のうち、タイミング法の指導を受けて実践し、出産に至った方は67名(14.6%)でした。
タイミング法によって妊娠・出産まで成功したのは全体の約15%のみであり、妊娠後に流産となった割合は、20代後半で26.1%、30代前半で36.6%、30代後半で34.3%でした。(※)
タイミング法は、男女がそれぞれタイミングを見て妊娠確率を上げる方法であり、医学的なアプローチではありません。
成功率も人によって異なるため、確実に妊娠する方法ではない点に注意が必要です。
排卵日を予測する方法
排卵日を予測する方法には、女性側で変化を観察・確認する方法と精密な測定を受ける方法があります。
【排卵日の予測方法】
予測方法 | 内容 |
オギノ式 | 月経周期から排卵日や妊娠しやすい時期を割り出す |
検査薬の使用 | 「排卵日予測検査薬」と呼ばれる薬品で判定結果を確認する |
基礎体温 | 毎朝基礎体温を測定し、体温の分かれ目から排卵日を予測する |
おりものの変化 | 排卵が近づくとおりものの量が増えることから予測する |
アプリによる管理 | 「妊活アプリ」と呼ばれるアプリを使用し記録・管理する |
超音波卵胞計測 | エコーにより卵胞を計測し、大きさを測定して排卵日を予測する |
いずれも月経周期や体調、排卵日の予測に使用できます。
妊活での注意点
妊活でタイミング法を選択する際は、「このタイミングで妊活する」「この時期に性交渉を行う」といったタイミングをあまり具体的にしないほうが良いでしょう。
心身にストレスがかかると、かえって妊娠しにくくなる可能性があります。
タイミングが良いのに妊娠しないときに考えられること
タイミング法がうまくいっているのに妊娠しないとき、考えられるポイントは次の3つです。
- 心理的な要因
- 生理的な要因
- ライフスタイルによる要因
妊活がうまくいかない理由はさまざまですが、心理的要因、生理的要因、ライフスタイルによる要因に分類されます。
心理的な要因
心理的要因として、妊娠や妊活に関するプレッシャー、精神的な負担が挙げられます。
モチベーションが高いときは問題なく生活を送れますが、妊活を続けているにもかかわらず妊娠の兆候が見られない場合、「なぜ努力しているのに結果が出ないのか」とネガティブな感情が生じやすく、過度に心理的負担がかかると月経周期にも影響を及ぼす可能性があります。
パートナーの理解が得られない場合や妊活に適した環境ではない場合も、ネガティブな感情やモチベーションの低下を引き起こす一因です。
生理的な要因
タイミング法だけで妊娠できない場合は、子宮や卵管に起因する何らかの問題、月経や排卵のトラブル、パートナーの精子の状態や質といった生理的な要因が考えられます。
男女ともに年齢を重ねると、若い頃に比べて妊孕性は低下していきます。
たとえば20代と50代では妊孕性が大きく異なることから、タイミング法がうまくいかない場合には生理的な要因を疑う必要があります。
医学的な問題が妊娠を妨げている場合、通常の妊活だけでは対応できないため、より具体的な治療の検討が必要です。
ライフスタイルによる要因
ライフスタイルによる要因として、睡眠不足や不規則な睡眠、栄養バランスや摂取カロリーが偏った食生活、運動不足や嗜好品(アルコール、タバコなど)の摂取が挙げられます。
好きな食べ物や嗜好品は適度に摂取するぶんには問題ありませんが、健康に影響を与えるほどの習慣が積み重なると、ホルモンバランスが乱れて不調の原因となり、妊娠の確率を下げるリスクが高まります。
無理な食事制限や激しい運動も身体に強い負担をかけます。
食事、運動、休息のバランスを整え、ゆったりとリラックスすることが大切です。
妊活を成功させるコツ
妊活を成功させるために意識したいポイントは次の4つです。
- バランスの良い食事をとる
- 適度に身体を動かす
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを発散する
毎日の食事や睡眠、休息は生活に欠かせません。
運動やストレス発散も同様に、健康な生活を続けるうえで必要な行動です。
ここからは、妊活を成功させる4つのポイントについて詳しく見ていきます。
コツ①バランスの良い食事をとる
妊活を成功させやすい健康な身体をつくるためには、野菜、果物、タンパク質、脂質や炭水化物といった、エネルギー産生や代謝に必要な栄養素を偏りなく摂取することが大切です。
好きなものばかりに偏る偏食やカロリー過多、食べすぎといった問題に注意し、できるかぎり過不足なく栄養を摂取して健康に配慮することが大切です。
妊活は妊娠を目指す活動ですが、妊娠してからも栄養バランスが乱れないように注意しなければなりません。
妊活の段階から栄養を意識することで、妊娠後も胎児の発育に必要な栄養を意識的に摂取しやすくなります。
コツ②適度に身体を動かす
普段身体をあまり動かさない方は、自宅でのストレッチやヨガ、器具を使った運動、ウォーキングなどを取り入れることをお勧めします。
適度に身体を動かすと、体内の循環が改善し、脂肪燃焼や代謝の向上効果が得やすくなります。
肥満やその他の病気はホルモンバランスを乱しますが、体温を上げてホルモンバランスを安定させることで、妊孕性が高まります。
コツ③十分な睡眠をとる
睡眠は副交感神経を優位な状態にして、身体からストレスや疲労を取り除くために欠かせないものです。
しっかりと睡眠が取れなければ、身体は慢性的に疲れた状態となり、仕事や家事にも支障をきたしやすく、健康に悪影響を及ぼします。
睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが乱れる恐れもあります。
妊活で妊娠しやすい身体づくりを目指す際に十分な睡眠が取れないと、妊娠しやすいコンディションを維持しにくくなります。
コツ④ストレスを発散する
できるだけストレスを溜めない工夫も、ホルモンバランスを維持し、妊孕性を低下させないために重要です。
妊活の効果を実感するためには、ストレスと上手に付き合っていく工夫が必要です。
運動や趣味の活動、ゆっくり休息をとるなど、いくつかの方法を組み合わせることをお勧めします。
何回目でできたかにこだわらず自分に合った妊活を
今回は、妊活を始めてから何回目で子どもができたか、平均的な期間や妊娠できるケースとできないケースなどについて紹介しました。
タイミング法は医学的なアプローチではなく、確実な成功率を保証するものではありません。
正確性の高い排卵日の予測や妊活を成功させるための食事や運動といった体調管理を組み合わせることで、成功率を高められる可能性があります。
薬などに頼らない方法であるため、自然妊娠を考えている方にはお勧めです。
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